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* 設定(峡司)

2006年01月09日 17:56

以前サイトで掲載しておりました、我が家の住人達の設定話を
こちらに移動しました。



【狼達の昔話】


此処の住人達が、此処に住まう以前の話を
管理人が書き綴りました。


管理人が、住人達をお迎えする前に構想した話を
小説形式で紹介しております。
アニメや漫画などからインスピレーションを受け、独自に構想を練り
現在の住人達の設定に辿り着きました。

もしかすると、他のサイトさまでも似た様な設定があるかもしれません。
しかし、住人達は管理人独自の発想の元に生まれた子です事を
ご承知ください。

小説には設定上、管理人が登場します。
人に寄っては美化していると感じられ、不快に思われるかもしれませんが
経緯を語る以上、どうしても削ることが出来ませんので何卒、ご了承下さい。

また、読んだ後の非難や苦情等は一切受け付けません事を
ご承知下さいますよう、宜しくお願いします。


では、どうぞ時間を掛けて読んでやって下さい。
静かに、ゆっくりと、話の中に身を埋めて楽しんで下されば幸いです。







■空を翔け 大地を駆ける狼 峡司編■





それは…「峡司」がこの館に来る少し前の出来事から始まる。

まだ「峡司」という名を持たぬ、特別な力を持った狼 「狼神」
群れの長をしていた「狼神」は、傷つき、憤り、怒りを抱いていた。

それというのも全て、身勝手な人間の所業のせい

 




「人間に害を成すから、家畜を殺すから」

 




そんな理不尽な理由で仲間は次々と殺され、息絶えていく
空を翔ける翼があろうと、大地を駆る爪を持っていようと、
消え行く命の炎を止めることは出来ない。

傷付いた仲間を護ることも、死んでいく仲間を救うことも出来ず、
やれることは 涙を流し、息絶えていく仲間達の魂を見送ることだけ。

無残な悲劇は何度となく繰り返され、「狼神」の瞳は とうとう色が消え
落ちてしまった。

 




なんて情けない、不甲斐ない自分

 




残った仲間達を守るため、死んでいった仲間の敵をとる為に、「狼神」は
怒りに身を燃やし、人間達に牙を剥いた。
空を翔け 上空から切り裂き、大地を駆って 喉元を噛み千切る。
 
翼の生えた狼、凶暴な牙、鋭い爪。
人間達は恐れ慄き、恐怖した。
そして…排除しようと あらん限りの武器を持って狼神を殺そうと試みるが
力が及ぶべくもなく。
ならば!と「狼神」が引き連れていた群れの狼達を殺し始める「人間」

「狼神」のような力を持たぬ狼達は次々と無惨に殺されていく。
それでも「狼神」を怨むことなく「どうか生きのびて」と想いを託し
息絶えていく仲間達。

 




怒りに身を任せたままでは、仲間が死に絶えてしまう…!
 




我に返った「狼神」は、自分を囮にして群れを離れることを決意し、
「行かないでくれ」と止める仲間を振り切って、走り出す。

大きな翼で空を翔け、大地をしっかと踏みしめ駆け走る狼

何も知らない「人間」は、珍しい狼を捕らえ、自分の物にしようと画策し、
戦い続けてきた「人間」は徒党を組んで、時代の武器を手に取り、
殺そうを追いかけてくる。


時に牙を剥き、そして傷付きながら、人間の攻撃から のがれる「狼神」









 

幾年、幾年月もその攻防を繰り返し、とある山のほとりまでたどり着いた。
静かな山の中。
小鳥は囀り、蜂は花々を飛び移り、草花は己の華を誇らしげに
咲かせている。
穏やかな森の奥
傷を癒しながら、「狼神」はゆるりと空を見上げると…







sora.jpg


優しい紫色(しいろ)の空

その空の色の中に見えたのだ。
かけがえのない仲間達の魂が…

すべてを包み、慈しむ空の色の中、穏やかに優しく包まれている。





あぁ…其処に居るのか 其処で眠っているのか…
ならば、お前達の居る その空と共に在ろう。
何時までも何処までも お前達の想いを抱いて
この空を この大地を お前達と共に駆け走り 翔け上がろう





その想いと同時、
色を無くした「狼神」の瞳に、美しい紫空の色が優しく宿ったのだった。











少しずつ傷を癒しながら、散り散りになった仲間達へ思いを馳せていた時
茂みから一人の「人間」が現れた。

その「人間」に、「狼神」は噛み付き、警戒するも、
「人間」は傍を離れず 綺麗な空を宿した瞳をジッと見つめ続ける。

虜になったのだ。
「狼神」の優しい瞳と哀しみを抱きしめた眼差しに。
全てを見据え、諭すような瞳に、己の心を正したいと想った。
この狼のように、優しく、力強く在りたいと…。

「人間」の心が見えたのか、どうなのか…「狼神」は何も言わず、
傷を治すことを許した。

 

何故、許した…?

 

「狼神」は自分でも理解し難い状況を見ながら、
なんとも言えない不思議な気持ちの中に身を投じていた。

忌み嫌っていた「人間」の傍に居る自分が 嫌でなくなってきている
恐れる事無く、束縛することなく、ただ傍に居る「人間」
自分を撫でたり 抱きしめたり 微笑みかける「人間」
それが心地良い。
柔らかな日差しを身体一杯浴びているような感覚が、
少しずつ「狼神」の心を和らげて  
いつしか警戒することを止めさせてしまった…。















それから数ヵ月後。
すっかり傷も癒えた「狼神」は桜の木の下に居た。
「人間」の傍で警戒をすることもなく 四肢を投げ出し
目を閉じて横たわっている。
ひらひらと舞い落ちながら、耳を、
鼻先を掠めていく桜の花びらが くすぐったい。

「人間」は、ふわふわと「狼神」を撫でながら、なにやら思案しているよう。
しばらくすると、「人間」は語りかけた。

 

「名前…何にしようか。夜明けみたいな、夜更けみたいな…
不思議な瞳の色。
時の狭間に住んでるみたいだね。

…… 峡司 … 

峡司ってどう? [時の狭間を司る]って意味。」

 

「人間」は「狼神」に新たな名前を紡いでみる。

 

峡司… 時の狭間を司る…か。
悪くない。

 

小さく微笑んだ「狼神」は、立ち上がり「人間」の瞳を見据えた。

 

新しい名を与えたお前に お前の望む姿を見せよう

 

「狼神」は人に似た姿を形創った。
優しく、力強い 紫色(しいろ)の空を湛えた 瞳を持つ 人の姿。

「人間」と「狼神」は、ふわりと互いに微笑みあう…

新たな生活が始まった。

 

 

 

「人間」は言う。

「どこへ翔けて行っても、駆け走ってもいいよ。
傷付いて、辛くなったら還っておいで。

此処がお前の還る場所。
此処がお前の還るべき場所。

だから安心して行っておいで…?」

「人間」の言葉を受けて、「狼神」…いや「峡司」は時折、
空を翔け、大地を駆け走り仲間を連れて還ってくる。

 

…ただいま。

 

その言葉とともに……

 

 

 

end.





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